『自分の怒りを受け入れる』*怒りをおさめる技術1
怒りは自他ともに分かりやすい感情で、時間がたてばある程度
収まるものなので、悲しみや不安に比べれば扱いやすいと言えます。
ただその分、厄介な面もあります。
変に怒りを消化せずに飲み込んでしまうと「根に持つ」ということに
なり、それは怨念のようなものへと変化してしまうこともあります。
またそのまま「怒りに任せて」行動してしまうと、自他ともに傷つける
凶器になり、被害はより大きなものになっていきます。
そこで、まずは怒りを放置するのでもなく押し込めることでもなく
受け入れることから始めてみることが大切になります。
周囲の落ち度や無礼を批難するよりも先に、「自分は怒りんぼうだ」と
認めてしまうことです。
自分の習性として怒りを受け入れることで、感情の整理が随分と
やりやすくなってきます。
そして、受け入れた怒りは「十分に感じきること」が大切です。
あまり気分の良いことではありませんが、何事においても「中途半端」
であることが、引きずる原因であることは非常に多いものです。
相手や周囲に怒りをぶつけたりするのではなく、また、「怒りは良くない感情」と
押し込めて怒りの感情を持つ自分を見て見ぬふりをすることはやめてください。
その怒りは100%間違っているものでもなければ、醜い感情でもありません。
ただ、「あぁ、自分は今非常に怒っているなぁ」と、カッカしながらも
一人静かに怒りの感情を感じることが重要なのです。
そうして「感情をとことん感じきること」を訓練していくことで、
徐々にその整理が付けられるようになってきます。
これは怒りに限らずどんな感情にも共通することですが、
排除しようとすればするほど、いつまでも感情が沸き起こり、つきまとい、
結局は繰り返し同じ状況に陥るモノです。
あらゆる感情は人が生きていく上で重要なものであり、感情がなければ
楽しみや喜びを感じることはできないのです。
どんなものであれ、自分の持つ感情を感じることを恐れないことが肝心なのです。
*参考書籍