『自己嫌悪、非常識の批難、その前に』*怒りをおさめる技術3
自分の心の不安定さから、つい怒りっぽくなってしまうことってありますよね?
普段なら気に留めないような他愛のない皮肉やジョークに
ついカチンときて、態度や表情に出てしまい気まずくなったり、とか。
そんな時「私は器が小さいなぁ」「怒りっぽい私って嫌だなぁ」と
自己嫌悪に陥ってしまいやすくなることもあります。
これではネガティブな感情が心に蓄積されてしまい、さらに心が
不安定になって、本末転倒かもしれません。
また、公共の交通や場所などにおいて、「強引に割り込む」
「ルールやマナーを守らない」などの『非常識だ!』と思える行動をする人に
出くわし、腹が立ち、なかなか収まらないといったこともよくあることですよね。
そういった時、その怒りに任せて睨み返したり押し返したりすると、
トラブルになったりもします。
「自分は正しい!」と、相手の「非常識な」行動の善悪を問う、あるいは
「自分は良くない」と自己否定する、といったスタンスで物事を捉えていると、
いつまでたっても肝心の怒りを整理できないままになってしまいます。
怒るという感情において、人間は「自分が正しい=相手が悪い」という
前提を無意識にせよ持っているということを、まず、理解してください。
知人であれ他人であれ、相手の行動の善悪をジャッジしてみても、
あなたの怒りが収まることはありませんし、相手が善人になるわけでも
ありません。
また、自己否定したところで「やってしまったこと」を消すことは
できませんので、むしろ「怒りを生み出さない」思考回路を持つことが
肝心でしょう。
こういった「自らが怒りを見つけ、生み出してしまう場合」には
「自分はなぜ、このことに腹が立つのだろう?」
「自分はなぜ、今、気分がイライラしているのだろう」と、
自分目線で感情を分析していくようにすることが大切です。
その自分への問いかけに、必ず答えが見つかるはずです。
「あぁ、昨日の疲れがたまっているなぁ」と、身近な事ですぐに見つかる場合もありますし、
深いところでは「子供の頃のトラウマや不快な経験」を引きずっている場合もあります。
自分が怒る原因の見当がつけば対処も取りやすくなりますので、怒りの感情に
自らが振り回される回数も減り、気持ちは随分と楽になってきます。
いずれにせよ、ポジティブであれネガティブであれ、感情はその都度、
最大限に感じきることが、感情の整理をつけるには最善策となります。
これは訓練でできるようになりますので、普段からこのことを意識しておくと
感情の整理が楽になるでしょう。
少し余談ですが、怒りの多くはその根本を探っていけば、意外と「悲しみ」に
行き着くことが本当に多いものです。
それを考えれば、悲しみの感情はその都度ちゃんと感じきっておくことは、
怒りを減らし、整理していくには大切になりますネ。
*参考書籍